ル・コルビジェのLC1 バスキュラントチェアは、ル・コルビジェが建築に対して抱いていた概念をそのまま盛り込んだ作品といえます。水平・垂直・直角・回転(背・肘)という要素を含んでいてポニースキン(毛皮)は、目の方向まで計算し作られた作品です。
この椅子もチャーチ邸の為に作られたデザイナーズ家具で、ル・コルビジェは、後にLC(Le Corbusier)シリーズの量産化へ向けてプジョー社へ依頼に行ったのですが、30分で決裂した逸話も残っています。結局、曲げ木家具で有名なトーネット社が生産を請け負う事になったのです。椅子の基本形は、その頃の既成の椅子からヒントを得たとされていますが、完成度を高めアトリエの所員であるペリアン達との理想を追求した仕事振りがうかがえる作品です。
背もたれ部分は左右の軸を中心に回転して角度が自由に変わり、座る人の背中を確実に支えます。肘部のベルトは耐久性を考慮しPVCになっており、適度にたわみ、スリングの名に恥じない弾力を持っています。